音楽情報サイト:HOT EXPRESSthere is music by side ホットエキスプレス・ミュージックマガジン
音楽情報サイト:HOT EXPRESSニュースインタビューライブレポート
レビューチャートメールマガジンスペシャルページ
SEARCH
アーティスト検索

SET LIST

01.plastic form
02.新曲
03.Drive
04.wall
05.babysitterへの手紙
06.Lounge
07.LULLABY

the blondie plastic wagon 『POST_2』
2004.4.22(THU) 下北沢CLUB Queにて。



 ジョン・コルトレーンの「My Favorite Things」が会場に流れ出すと、神秘的と言うべきか、幻想的と言うべきか、とても趣のある空間が私たちのまわりに拡がっていく。彼らのライヴはいつもこの曲から幕を開ける。
 2004年4月22日、今夜はthe blondie plastic wagon presents LIVE【POST_2】in 下北沢CLUB Que。そして、なによりニューアルバム『GIFT』を引っ提げた【the blondie plastic wagon goes to“GIFT”tour】のファイナル公演なのだ。彼らの他にもdeepsea drive machine、cheeseといった個性の光るバンドが参加するライヴイベント。お互い刺激を受け合いながら、自分たちの音を確実にオーディエンス1人、1人に伝えていく。

 2バンド目のcheeseのライヴが終わると、今夜の主役the blondie plastic wagonの時間が迫る。照明の明かりがスーッと落ちていくと、いつも通りあの曲「My Favorite Things」が体に浸透してくる。薄暗いステージにthe blondie plastic wagonメンバー、篠原信夫(Vo・Gu)、仲俣寛之(Ba)、山田洋一(Dr)の3人が登場してくると、オーディエンスたちから盛大な拍手と歓声が送られ、「こんばんわ!!the blondie plastic wagonです!!!」という篠原の第一声と共にツアーファイナル、ニューアルバムをリリースし、生まれ変わった彼らが集約されたライヴが走り出していく。
 鐘が激しく打ち付けるような荘厳で美しい音色が篠原のギターより奏でられると、1曲目の「plastic form」がスタート。この曲で彼らの音楽へのアプローチ、考え方が変わったといっても過言ではない、the blondie plastic wagonを語る上で非常に重要な1曲。始め青い光に包まれていた会場は、曲が高揚していくと同時に真っ赤に燃え上がっていく。後半、エメラルドの輝きの中に彼らが身を投じると、とても神秘的な光景がステージに浮かび上がる。うっすらと当てられた照明の光に表情が浮かび上がると、鋭い眼光が2つ会場を見据えている。彼らの音楽に対する強い想い、情熱がどれだけひたむきで、どれだけ本気なのかということが、口にせずとも作品を通して感じられるのだ。
 「旅をしてきた・・・音楽って、楽しいモノで良いと思うんだ!」という篠原の言葉と共に一気に加速していくライヴ。オーディエンスのボルテージとメンバーのボルテージが、2曲目の新曲で完全にリミットカットされる。激しく転換していく光と感情に身を任せマイクに向かって想いを叫び上げる篠原。

 「改めまして、the blondie plastic wagonです!!」という挨拶に、会場のいたる所から歓声やら喜びの言葉やらがステージに送られる。その止めどない歓声に押され気味の篠原が「お祭り騒ぎだなぁ。」と苦笑(笑)。そして、歓声が鳴り止まないまま3曲目へと入っていく。イントロの音とかぶるように「the blondie plastic wagonに乗ってドライブに行こうぜ!!」というメッセージがオーディエンスたちにぶつけられ、それに応えるようにオーディエンスたちは体を縦ノリにさせる。徐々に会場の室温が上昇し、彼らのテリトリーに足を踏み入れていく。
 「5年前、the blondie plastic wagonが結成されて、一番最初に鳴り響いた音“ウォール”!!」と、次の曲が紹介されると4曲目の「wall」が始まる。体に打ち付けてくる音の重みと、一言一言に込められた言葉の重みが以前より明らかに重厚になってきているのが、体の中にダイレクトに伝わってくる。

 そのままステージが紫色に染め上げられ、篠原が「日向ぼっこをしているときに描いた落書きが歌になった・・・。」と言うと、次の曲「babysitterへの手紙」が会場を埋め尽くす。いつの間にかステージは、深い森に佇んでいるかのような綺麗な緑色の光の中に沈んでいく。今までの曲とは一転、ミディアムテンポのナンバーは、オーディエンスたちをステージに釘付けにする。

 曲が終わるとしばしのチューニングに入る。「“Lounge”って曲を・・・この曲は俺が言いたいことを言えた曲なんだ。」そう言うと、再び真っ赤に燃え上がるステージと会場。緑の深い森でさえも瞬時に焼き尽くすような熱気とスピードで、ライヴ加速させていくthe blondie plastic wagon。そのスピードは無限大に加速し、まるでどこまで続いているか分からない人生と言う永遠のハイウェイの出口を目指す。この曲が終わると、会場に今夜一番の歓声と拍手が響き渡る。
 ここで告知を含めた少し長めのMC。ライヴが楽しくて、楽しくて仕方がないという篠原。「音楽って、どうしようもなくドキドキすると思って旅(ツアー)していました。」という言葉を残すと、ラストの曲「LULLABY」に入っていく。言葉、音、今回のツアー、そして彼らの想い全てがこの曲に集約されていく。過去の様々な出来事と向き合い、明日へと踏み出していけるようなとても強い力が込められた曲だ。体が彼らの作り出す世界に浮遊するような、そんな超自然的な感覚に襲われる。それと同時に目には見えないがオーディエンスとメンバーが、彼らの音楽で1つに繋がったような気がした。彼らを称賛する盛大な歓声に会場が包まれると、ステージを後にするthe blondie plastic wagonの3人。

 彼らが去った会場では、オーディエンスたちが「まだまだー!!」というアンコールの声を上げる(笑)。その威勢の良い声に応えるように直ぐにステージに戻ってくるメンバー。「楽しかったぁ?」と篠原がオーディエンスに問うと、「オォォォォォォオ!!」という気合いの入ったレスポンスを返す。その声を聞いて篠原も「オレもすっげぇ楽しかったー!!」とオーディエンスたちにレスポンスしていく。アンコールは、「blue」。スピードとメロディが見事に融合した彼らの姿(かたち)が披露されていく。
 ファーストミニアルバム『Buffalo boogies』、セカンドミニアルバム『bitches blue』、サードミニアルバム『basquiat blossom』とリリース、3人の楽曲に対する自信は確かなものだったが、ライヴの動員数は増えず自分たちと音楽、そしてオーディエンスとの壁に悩まされていた。その中で、そんな不安を一掃してくれたのは「plastic form」という1曲の楽曲の存在だったのだ。この曲の誕生を境に感覚でしか音楽を伝えようとしていなかった彼らの中に1つの答えが導き出され、「plastic form」以降、収束するような曲が多かった彼らの楽曲に、明日に拓けるような曲が生まれ始めたのだ。そして、この度the blondie plastic wagonの3人は1月22日にリリースされた『GIFT』を携え、今回の【the blondie plastic wagon goes to“GIFT”tour】で新たな門出、“リスタート”をした。彼らはようやく、本当の意味で前に向かって歩み出すことを始めたのだ。

Live Report:榎本岳史
 
the blondie plastic wagon wagonの作品を購入されたい方はこちらまで