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「真夜中ナビゲーター 印12('03-'04)〜奇跡を待つか〜忘れてしまわないように〜再入場可!遅刻入場不可!?」
2003.12.31(WED) Shibuya O-Crestにて。



 来年1月22日にファーストフルアルバム「GIFT」のリリースを控え、彼らは大きな変化を迎えようとしていた。それは、3人の姿(かたち)である『plastic form』が、彼らthe blondie plastic wagonのもとに舞い降りたことに始まる。彼らの長い苦悩の日々に終止符が打たれ、ようやく閉ざされていた道に、明日へと続くレールが敷かれたのだ。前に歩みだす一歩を自ら見つけ出した3人が魅せる今年2003年最後のライヴが今夜、ここ渋谷 O-Crestで行われるのだ。彼らと怒涛のスプリットツアーをまわったBUGY CRAXONE他、ジャンルを超え多数のアーティストが参加するお祭り騒ぎの年末ライヴイベント【真夜中ナビゲーター 印12('03-'04)〜奇跡を待つか〜忘れてしまわないように〜再入場可!遅刻入場不可!途中退場不可!?】ということで、彼らを含め個々のライヴ時間は満足できる長さではないと思うが、ライヴバンド、the blondie plastic wagonの妥協のないパフォーマンスを皆さんは目の当たりにすることができるはずだ。

 彼らのライヴではお馴染みのジョン・コルトレーンの『My Favorite Things』が会場を包み込み始めると、前のアーティストのステージチェンジの間に空間を彩っていたDJ選曲のBGMが、重なるようにそのスピードを落としていく。薄暗い会場、朧げな青の光りはステージを滲ませ、彼らの登場を待ちわびる。
 「こんばんは!the blondie plastic wagonです。よろしく!!」、いつもながら不器用でぶっきらぼうな挨拶からライヴがスタートする。1曲目は『plastic form』、先程も冒頭で言ったようにこの曲には彼らの3人の形、今までの軌跡全てが集約されていると言っても過言ではない。ギターのヘッド近くを押さえしきりに掻き鳴らし、幻想的な鐘の音を作り出す。彼らがこれだけ信頼する楽曲、それを奏でる姿は、これ以上ないくらいの“喜び”の感情を私たち感じさせてくれる。
 そのまま「最新の曲!!」というヴォーカル・篠原による曲紹介がされると間を開けることなく2曲目に入っていく。非現実的という表現がとても適切に思えるくらい現実離れした神秘的な空間が、淡い緑色の光で演出されていく。彼らの中に棲む激しい衝動は、曲が進むにつれて徐々に増殖し、波のように会場に押し寄せる。篠原は大きく体を揺らしステージをいっぱいを動き回り、ベースの仲俣はオーディエンスに背を向け、自らの世界に陶酔していく。それは、決して自分善がりな行為からではなく、会場と一体になるための1つの段階における彼なりのアプローチなのだ。



 3曲目『devil lunch』、会場が燃えるような深い赤に染められると、狂ったように突き進んでいく重くダウナーなロックが体に充満していく。彼らの放つ音に体を委ねる者、呆気にとられる者、感じ方は1人、1人様々だが、その脅威の存在感に誰もが釘付けにされているのは否めない。
 4曲目『Drive』、水面を漂うように穏やかなイントロから「ドライブに行こうぜ!!」という篠原の掛け声と共に一転して疾走してく爽快な1曲。ドラムス・山田も自らが音を叩き出しているのではなく、むしろ、その音のほうに引っ張られているようなそんな前へ前へ体が持っていかれるような空間に、オーディエンスたちも無意識のうちに体を揺らしていく。

 チューニングタイムを挟み、「どうも!the blondie plastic wagonともうします。」と再び挨拶をする。先程とは対照的にとても丁寧な口調の篠原。彼が「声、枯れてますね・・・素敵・・。」と自分で自分の声を誉める、その唐突なMCから感じられる滑稽さにオーディエンスから笑いが起こる。
 MCが終わると『LULLABY』が披露される。この曲も『plastic form』同様、彼らの新たな考え方を提示してくれた重要な作品だ。8センチシングル『plastic form/LULLABY』としても一緒に発売(会場、通販限定)されているが、それだけ彼らにとっても意味のある存在(もの)であることは間違いない。壮大かつ温かいメロディは、音に包み込まれる感覚を私に始めて感じさせてくれた曲でもある。ゆったりとした流れの中で、白い光りが燈りその中で一心不乱に感情を音に変換していく彼らの姿が印象的だ。それを何かにとりつかれたようにジッと見つめるオーディエンスたち、その光景からは彼らとライヴ、彼らとオーディエンスというただ対象の2つの間を行き交うものではなく、彼らthe blondie plastic wagon、オーディエンス、そしてライヴという3つの繋がりを感じさせてくれた。

 ラストは『Lounge』で、今夜のライヴを締めた彼ら。年が明けるといよいよファーストフルアルバム「GIFT」のリリースが秒読み段階に入る。彼らの軌跡がこの作品で大きく開拓され、来る2月26日、渋谷 CHELSEA HOTELからスタートする《the blondie plastic wagon goes to “GIFT”tour》へと踏み出していくこととなるのだ。目の前の壁が取り払われた彼らの先には、無数の道(可能性)が未来へと向かい伸びている。彼らがどの道に歩み出すのかは彼ら次第、私たちはそんな彼らが生み出す音、ライヴを感じ何を思うのだろうか?その答えは1月22日のファーストフルアルバムリリース、そして、2月26日スタートのツアーで見付けることが出来るはずだ。

Live Report:榎本岳史

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